指導者の資質を磨く4つの力②〜理性〜

運動
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理性は、感情の波を静かに見つめる灯台のような役割を果たします。
揺れながらも、自分を見失わずに進むための指針となります✨

感受性が外の世界を受け取る力だとすれば、理性はそれを内側で整える力です。

感情に流されず、しかし感情を無視せず、調和をもって判断する。

理性は指導者が自分らしく振る舞うための舵のような存在です。

言葉を選ぶ能力を鍛える

身体は心に、そして心は身体に影響を与えます✨

心がまっすぐに整えば姿勢が良くなり、
結果として認知能力や集中力が高まり、運動にも前向きに取り組めるようになります。

逆に、心が整っていなければ姿勢が崩れ、集中力が落ち、動きも雑になり、
ケガのリスクが高まります。

このように、心と身体は互いに影響し合っています。
これを心身相関といいます。

したがって、運動指導における言葉かけは、子どもの「心」にまで影響を及ぼします。
だからこそ、指導者には言葉を選ぶ力が求められるのです。

人を動かす最良の方法は、
相手が「自ら動きたくなる気持ち」を引き出すことだといわれます。

子どもが主体的に動きたくなるような言葉かけができるよう、
次の6つの視点を意識してみましょう💡

子どものジャンプ

1.認める

×「なぜできないんだ」
○「ナイスチャレンジ!」

ポジティブな言葉で、挑戦そのものを認めてやりましょう。

結果ではなく行動を承認する意識が大切です。

さらに、「さっきよりうまくできたね」のように、
他者との比較ではなくその子自身の成長を見つめ、共感しましょう。

このような言葉かけが、子どもの自信や自己肯定感を高めます😊

2.励ます

×「ミスしたら罰ゲームだぞ」
○「失敗しても大丈夫だよ、一緒にやってみよう!」

 常に成功や正解を求められる環境では、過度に慎重になり、失敗を恐れる子が生まれます。

「失敗して怒られるのが怖い」😣
「人に見られるのがいやだ」😫

といった不安から、最初から「できない」といってチャレンジをしない子どもがいたら、
言葉かけや環境設定を見直してみましょう。

そんな子には、まず寄り添うような励ましを。

また、失敗しても恥をかかずにすむ安全な環境設定を工夫することも大切です。

いつも励ましてくれる指導者が側にいてくれるということも、子どもの安心感が増す環境ということができるでしょう😊

3.ほめる

×「話を聞く姿勢になっていない人がいます」
○「話を聞く姿勢が素晴らしい人がいます!」

ほめることで、姿勢や気持ちを整えることができます。

「良い姿勢だね。心の真っすぐさが見えるようだね。」

と、導入で声をかけると、全体の姿勢が良くなり集中力が一気に高まります。

気になる行動をしている子を叱るよりも、
良い行動をしている子を見逃さずにほめる意識を持ちましょう💡

「いつも集合が早いね」
「話をよく聞けているね」と伝えることで、
子どもは「自分は見てもらえている」と感じます。

指導中は、ふざけたり、やる気が見えなかったりする“気になる子”に目が行きがちです。

しかし、集団の中には周りに流されずに自分の意思をしっかり持ち、
いつも誠実に行動している子もいます。

その子を認めたりほめたりすることで、自己肯定感を高めると共に、
集団全体にも良い影響を与えることができます✨

「○○さん、いつも行動が素早く、良い姿勢だね。心が見えますね。」
などと伝えることで、周りの子の姿勢もピンと良くなってくるでしょう😊

笑顔の子ども

4.叱る

×「やめろ、何をしてるんだ!」
○「やめなさい、ケガをしないためです」

「叱る」と「怒る」の違いを理解しておくことが重要です💡

「怒る」は自分の感情をぶつける行為。
「叱る」は相手の成長を願って注意をする行為です。

このような違いを認識し、「怒る」のではなく「叱る」ようにしましょう✅

時には理性を働かせ、基準をもって叱ることが必要です。

基準を設けることで、指導者の気分によって「怒る」ことがなくなり、冷静な対応ができます。

基準の例

  • 身体的・精神的に自他を傷つける可能性があるとき
  • 社会的な規範から外れる行為をしたとき

中には叱られて反発する子もいますが、基準を明確にしておくことで、
毅然とした対応が可能になります。

5.全体への声かけと個別の言葉かけ

全体への声かけと個別の言葉かけを意識的に使い分けることが大切です💡
一人への声が全体に響くこともあれば、全体への声が一人の心に響くこともあります。


全体への声かけ例)

・「クラス全員が素晴らしい!」
・「男子、頑張っているね!」
・「白組いいですね」
・「この列は真っすぐですね」


(個別の言葉かけ例)

・「○○さんの動きが素晴らしいですね」──名前を呼ぶ
・「姿勢がいいですね」──一人ひとりを見てまわる、時には触れる
・「○○さんにお手本をしてもらいます」──良い行動を全体に紹介


また、全員に個別の言葉かけが届くような工夫も必要です。

たとえば指導者が3人いる場合、あらかじめ担当グループを分けておく。
あるいは列ごとに順に声をかけていく。

そうした仕組みで、全員が「見てもらえた」と感じられる場をつくりましょう👦

また、列に並んで運動している場合、
1~2列ごとに全ての子どもに声をかけたら隣の列に移動する、
というようにすると全員に言葉かけをすることができます✅

さらに、複数の場を設ける場合は、
指導者が一箇所に留まり、子どもが全ての場を巡る方式も有効です✅

「6か所全部でこの動きをやっておいで」と指示すれば、
自然と全員に声をかける機会が生まれます😊

鉄棒をする子ども

6.子どもの発言に対応する

×「今は先生が話をしているでしょ!」」
○「説明が終わってから質問を聞きます」

説明中に発言してくる子には、「説明が終わってから質問を聞きます」と伝えましょう💡

途中で質問を受けると、
その子が次々に質問してきたり、別の子が質問してきたりして、
説明が途切れて意図が伝わらなくなることがあります😵

そのため、強い口調になってしまいがちですが、
上記のように伝えて一通り説明が終わった後に丁寧に聞いてやりましょう😊

ただし、子どもが説明の補足になるような発言をした場合は、
その声を拾って流れの中に取り入れる柔軟さも大切です✅

年齢が低い子どもたちであれば、
発言そのものが「声を出したい欲求」の表れであることもあります👦

そんな時は、言葉を断片的に拾って受け止めるだけでも、子どもは満たされた気持ちになります😊

まとめ

言葉は、理性を支える大切な道具です✨

指導者が理性的に言葉を選び、心をこめて伝えることで、
子どもたちの心身は穏やかに整い、主体的に動き出します😊

言葉がけは技術であると同時に、指導者の心のあり方そのものでもあります。

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