「うちの子、何もないところでよく転ぶんです」
そんな相談を、運動指導の現場で本当に多く受けてきました。
– 段差がないところでつまずく
– 友達とぶつかって転ぶ
– 走っていて足がもつれる
– 転んだときに手が出ず顔から地面に──💦
転倒が多い子を見ていると、親としては「この子、大丈夫かな…」と心配になりますよね。

実は、転倒の多さは運動能力の問題と共に、「身体の感覚」と「反射」が育っていないことが原因のことが多いんです。
私はスポーツ指導者として、転倒癖のある子が遊びの中で「転ばない身体」を取り戻していく姿を、何度も見てきました。
今日は、子どもの転倒が多い本当の原因と、家庭でできる改善のための3つの遊びを、
運動指導者の現場経験からお伝えしますね😊
なぜ子どもの転倒が多いのか
転倒癖のある子をよく観察してみると、共通する3つの原因が見えてきます。
① 体幹の不安定
歩くとき、走るとき、軸がブレやすい子は転びやすい。
お腹周りの深い筋肉(体幹)が弱いと、ちょっとした重心移動に身体がついていけません。
② 反射の遅れ
つまずいた瞬間に「手を出して受け身をとる」「反対の足を踏み出す」といった自動反応が遅い子がいます。これは現代の子どもに特に増えています💦
③ 身体感覚(固有覚)の未発達
「自分の手足が今どこにあるか」を感じ取る感覚を固有覚と言います。
これが弱いと、足の運びがズレて転びやすくなるんです。

つまり「注意力が足りない」のではなく、身体の土台が育っていないことが本質。
逆に言えば、遊びの中で体幹と反射と固有覚を育てることができれば、転倒は確実に減ります✨
現場で見ている転びやすい子の特徴
実際に子どもたちを見ていると、転ぶ場面にはパターンがあります。
いちばん多いのは、周りが見えていなくて人や物にぶつかる転び方です。
そして、そういう子には共通点があります。
目の前しか見ていません。視野が狭いのです。
足元だけ、あるいは自分の向かっている方向だけ。
周囲の状況が目に入っていない状態で動いています。
だからぶつかるし、段差にも気づきません。
もうひとつは、単純に運動の経験が少ないこと。
身体を動かす回数そのものが足りていない子が増えています。
最近の子に起きている3つの変化
25年見てきて、ここ数年の変化を強く感じます。
① 近くばかり見ている
スマホや携帯型のゲームで、近い距離を見続ける時間が長くなりました。
その結果、広く見る力が育ちにくくなっていると感じます。
② 運動の経験が減っている
ゲームのやりすぎで運動の欲求そのものが抑えられ、身体を動かす機会が減っています。
この仕組みは別の記事で詳しく書きました。
👉 子どものゲーム時間ルールの作り方|運動指導者が教える親子げんかにならない3原則
③ 大人が転ばせないようにしすぎている
「怪我をさせてはいけない」という意識が強すぎて、転ばぬ先の杖を与えすぎているのです。
危ないものを先に取り除く。
段差の前で手を引く。
気持ちはよく分かります。
ただ、その積み重ねが転ぶ経験そのものを奪っている面もあります。
✅ 遊び①「クマ歩き」で体幹と固有覚を鍛える
両手両足を床について、膝を浮かせたまま前進する遊びです。
お腹に力が入り、手足の位置を脳が常に確認するので、体幹+固有覚が育ちます。
廊下を1往復するだけでもOK!
できれば方向転換するとなお良し!
✅ 遊び②「ケンケンパ」で反射と片足バランスを鍛える
昔ながらのケンケンパ。
地面に丸を書いて、ケン・ケン・パッとリズムよく進みます。
反射と片足支持が育つ、コスパ最強の遊びです✨
できればリズムが変わるように丸の位置の設定を変化させるとなお良し!
👉 あわせて読みたい:子どものゲーム時間ルールの作り方|運動指導者が教える親子げんかにならない3原則
✅ 遊び③「線の上歩き」でバランスと集中力
床にビニールテープで一本の線を作って、その上を歩くだけ。
慣れたら目を閉じて、つま先立ちで、後ろ向きで…と難易度を上げていきます。
バランスと固有覚が同時に育ちます😊
できれば少しだけ高さがあるとなお良し!
3つの遊びはどれも1日5分で十分。
週に3〜4回続けるだけで、子どもの転倒は確実に減っていきます✨
親が意識すべき大事なこと
転倒癖のある子に「気をつけなさい」「よく見て歩きなさい」と注意するのは逆効果のことも💦
子どもは「自分はダメな子」と感じてしまい、運動への自信がさらに下がります。
代わりに「身体の使い方を一緒に育てよう」というスタンスで遊びに誘ってあげてください。
家庭で3つの遊びを続けても転倒がなかなか改善しない時は、
プロによるマンツーマン指導も選択肢のひとつです。
お子さんの身体の使い方を専門家が直接見てくれるので、つまずきの原因をピンポイントで見つけられます😊
▲ 全国対応・体験レッスンあり
私が実際に進めている4つの段階
転びやすい子に対して、私は順番を決めて進めています。
いきなり鬼ごっこをさせても、転ぶだけだからです。
- ① 身体操作系の運動でボディーイメージを高める
- ② 人との関わりがある運動に進む
- ③ ボールやフラフープなど、用具を介する運動を入れる
- ④ 集団での鬼ごっこなどに展開する
なぜこの順番なのか
最初は、自分の身体がどうなっているかを分かることからです。
手がどこにあるか。足がどこまで届くか。
これが分からないまま速く動けば、当然ぶつかります。
この感覚をボディーイメージといいます。
ボディーイメージは、上から下に育ちます
ここは、あまり知られていない話です。
ボディーイメージは、身体の上から下に向かって発達していきます。
そして年齢を重ねると、今度は逆に、下から上に向かって衰えていきます。
高齢の方が、何もないところで足を引っかけて転ぶことがあります。
あれは足のボディーイメージが薄くなってきているからと考えられます。
子どもの転倒も、実は同じです。
その部分のボディーイメージが、まだうまく育っていない。
注意力の問題ではありません。
足が今どこにあるか、その感覚がまだ育ちきっていないのです。
だから最初に、身体操作の運動で土台をつくります。
人が入ると、見るものが増えます
次の段階で、人との共同や競争が入ってきます。
ここで必要になるのは、相手を把握する力です。
相手の力の入れ具合。
動きやリズム。
自分との位置関係。
これらを同時に読みながら動くことになります。
道具が入ると、さらに複雑になります
そこにボールやフラフープなどの用具が加わります。
ここで起きるのは、ボディーイメージを用具にまで広げることです。
フラフープの端がどこにあるか。
ボールが自分の手からどれだけ離れているか。
自分の身体の延長として、道具を感じられるようになっていきます。
さらに、誰かと協力して物を動かす要素も入ってきます。
一人で操作するより、ずっと複雑です。
最後が集団です
集団になると、環境が一気に複雑になります。
しかも状況は刻々と変わります。
さっきまで空いていた場所に、次の瞬間には人がいる。
その変化に適応し続ける必要が出てきます。
この段階まで来ると、さまざまな能力が一気に高まります。
視野の広さも、ここで育ちます。
だからこそ、いきなりここに放り込まないでください。
土台がないまま集団に入ると、ただ転ぶだけで終わってしまいます。
親御さんに一番伝えたいこと
最後に、これだけは書いておきたいことがあります。
転ばぬ先の杖を、やりすぎないでください。
危ないものを取り除き、手を引き、先回りして守る。
その一つひとつは愛情です。
ただ、転ばずに育った子は、転び方を知らないまま大きくなります。
身体が小さいうちの転倒は、軽く済みます。
でも身体が大きくなってからの転倒は、そうはいきません。
今の小さなかすり傷が、将来の大怪我を防ぎます。
そう思って、見守ってあげてほしいのです。
まとめ:転倒は「身体の土台」で必ず減らせる
転倒が多いのは、注意力の問題でも性格の問題でもなく、身体の土台が育っていないだけ。
クマ歩き/ケンケンパ/線の上歩き──この3つを家庭で続けるだけで、子どもの身体は確実に変わります😊
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
お子さんが安心して走り回れる毎日になりますように✨
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