「跳び箱の上に、座り込んでしまう」
「助走はするのに、手前で止まってしまう」
体育で跳び箱が始まると、こんな姿に心配になる方も多いと思います。
- 手をついたところで腕が突っ張り、跳び箱の上に座り込む
- 踏み切りの前で、足が止まってしまう
- 周りの子が跳べるなか、一人だけ跳べずにいる
こんにちは、しゅんたろうです😊
運動指導者として25年以上、のべ20万人以上の子どもたちを指導してきました。
3人の子どもを育てる父でもあります。
先に結論をお伝えします。
跳び箱が跳べない一番の原因は、「着地で転ぶかも」という怖さです。
だから、腕の力や踏み切りを鍛える前に、やることがあります。
着地の感覚を、先につくってあげることです。
この記事では、怖さが動きを止めるしくみと、着地の感覚のつくり方をお伝えします。
そのうえで、家でできる練習と、親御さんにお願いしたいことをまとめました。

跳べない一番の原因は着地の怖さ
跳び箱が跳べない子を見ていると、動きが止まるしくみはだいたい同じです。
- 跳んだあと、どうなるか見通しが立たない
- 「着地で転ぶかも」と怖くなる
- 無意識に、身体がブレーキをかける
- 腕で突っ張って、前に進むのを止める
- 跳び箱の上に座り込む
- 「怖かった」という記憶がたまり、次も同じ動きになる
「止まらないで」が届かない理由
座り込んでしまう子に、「踏み切ったら止まらないで」と声をかけたくなります。
でも、怖さで固まってしまった動きには、この言葉はなかなか届きません。
動き方を変えるように言うだけでは、心のブレーキは外れないのです。
外すべきなのは、「着地がわからない」という不安のほうです。
怖さが動きを止めるしくみは、鉄棒の前回りにも共通しています。
👉 あわせて読みたい:鉄棒の前回りができない子|怖さをなくす練習3ステップ
着地の感覚を先につくる
私が実際の指導でやっている方法です。
開脚跳びで、跳び箱の上に座り込んでしまう子に向けた手順です。
その前に:近づくのも怖い子には
跳び箱に近づくこと自体を嫌がる子もいます。
そんな子には、いきなり跳ばせることはしません。
跳び箱の周りを走ってみる。
触ってみる。
慣れてきたら、登って跳び下りてみる。
そうやって、まずは跳び箱に馴染ませるところから始めます。
① 跳び箱の上に座った状態から始める
スタートは、跳び箱の上にまたがって座った状態から。
② 肩を前に出して、グッと押して降りる
座ったまま手を前について、肩を前に出してもらいます。
そのまま手でグッと押して、前に降りる。
③ 降りるときの肩の重さを感じる
降りるとき、肩にグッと重さがかかるはずです。
その重さを、本人にしっかり感じてもらうのがポイントです。
④「跳ぶときに、その重さがくるようにしてごらん」
最後に、こう声をかけてから跳ばせます。
着地の感覚を先に経験すると、「跳んだあとどうなるか」の見通しが立ちます。
見通しが立てば怖さが減り、身体のブレーキも外れていくのです。
5分ほどで跳べることもよくある
この肩の重さの感覚をつくってあげると、5分ほどで跳べるようになることもよくあります。
初めて跳べた子の顔は、みんな嬉しさでいっぱいです。
私がそのときにかける言葉は、こんな感じです。
「やったね!」
「できたね!」
「ナイスチャレンジだったね!」
そのあと自信がついて、何度も何度も跳びに行く子が、本当に多いのです。
跳べた心地よさが、身体と心に響くのだと思います。

技ごとの声かけ
大事なのは、形を指示するより「この動きで跳んでごらん」と具体的に伝えること。
抱え込み跳びで膝が開いてしまう
足先が引っかかるのが怖くて、膝が開いてしまう子がいます。
「膝を閉じて」と言うだけでは、なかなか直りません。
まず、その場で手を膝で挟ませます。
脚の内側が締まっている感覚を確かめてから、こう伝えます。
「跳ぶときに、膝を曲げておへそを隠そう」
「膝で挟んだ紙を落とさないイメージで、お尻を高く上げよう」
台上前転で勢いが出ない
台上前転では、踏み切りの強さが大事です。
こんなふうに、順番に声をかけます。
「お尻を、頭よりも遠くに持っていってごらん」
「着地するまで、おへそを見ていよう」
「今、どんな感じがした?」
お尻を遠くへ持っていこうとすると、踏み切るときに重心が前に向かい、踏み切りが力強くなります。
最後の「どんな感じがした?」で、本人に自分の感覚を確かめさせるのがポイントです。
家でできる練習
家に跳び箱はなくても大丈夫です。
跳び箱につながる練習は、家の中でもできます。
① ウサギジャンプ「ポン・パッ・ポン・パッ」
両手と両足で、交互に前へ進みます。
手をついて「ポン」、足を前に運んで「パッ」。
「ポン・パッ・ポン・パッ(手・足・手・足)」のリズムで進むようにすると、うまくいきます。
② ソファや低い台にまたがって降りる
跳び箱の上から降りる練習も、家でできるもののひとつです。
ソファや低い台にまたがり、両足が床から浮いた状態をつくってください。
そこから手を前について肩を前に出し、グッと押して降ります。
降りるときの「肩の重さ」を感じられたら、跳び箱と同じ感覚です。
ぐらつかない台を選び、まわりを片づけてから行ってください。
③ カエル跳び
両手を床について、両足を前に引きつけて進みます。
腕で身体を支える感覚を育てる遊びです。
④ 馬跳び・手押し車
親子で、馬跳びや手押し車をして遊んでみてください。
腰を高く上げる感覚が、遊びの中で身につきます。
家でできる練習
① ウサギジャンプ「ポン・パッ・ポン・パッ」
② ソファや低い台にまたがって降り、肩の重さを感じる
③ カエル跳び
④ 馬跳び・手押し車
親にお願いしたいこと
最初から縦の跳び箱を一人でやらせない
縦に置いた跳び箱を、最初から一人で跳ばせるのは避けてください。
手首の上に体重が乗ってしまうと、骨折のおそれもあります。
そして、その痛い経験が最初の跳び箱の記憶になると、トラウマになってしまいます。
低い段でも、できたら認める
低い段でも、跳べたらしっかり認めてあげてください。
段の高さより、「跳べた」という経験のほうがずっと大切です。
よくある質問
Q1. 助走の途中で止まってしまいます
助走や踏み切りより先に、着地の感覚をつくってあげてください。
跳び箱の上に座った状態から降りて、肩の重さを感じるところから始めます。
跳んだあとの見通しが立つと、止まらずに向かっていけるようになります。
Q2. 何段から練習すればいいですか?
低い段からで大丈夫です。
低い段でも、跳べたらしっかり認めてあげてください。
「跳べた」という経験が、次の段に向かう自信になります。

親子で練習するのが難しい時は
スポーツ家庭教師ファーストは、体育・運動全般のマンツーマン指導を行っています。
体験レッスンは2,000円(税込)です(通常は1時間4,950円〜)。
体験を申し込む時は、「まず怖さをなくすところから見てほしい」と伝えておくのがおすすめです。
まとめ|跳ぶ前に着地の感覚を
- 跳び箱が跳べない一番の原因は、「着地で転ぶかも」という怖さ
- 「止まらないで」より、着地の感覚を先につくる
- 跳び箱の上に座った状態から降りて、肩の重さを感じる。5分ほどで跳べることもよくある
- 家では、ソファにまたがって降りる練習や、ウサギジャンプ「ポン・パッ・ポン・パッ」で準備できる
- 近づくのも怖い子は、周りを走る・触る・登って跳び下りるで馴染ませる
- 最初から縦の跳び箱を一人でやらせない。低い段でも、できたら認める
跳び箱が跳べないと、つい「もっと強く踏み切って」と言いたくなりますよね💦
でも、子どもの足を止めているのは、力不足ではなく怖さです。
跳べと言う前に、まず着地の感覚をつくってあげてください。
怖さをなくす順番は、ボール投げやキャッチでも同じです。
👉 あわせて読みたい:ボール投げ・キャッチが苦手な子の原因と練習法|怖さをなくす順番
初めて跳べたときの嬉しそうな顔を、ぜひ一緒に見てあげてください😊

