「チアダンスを習わせたいけれど、うちの子に向いているのかな」
「何歳から始めるのがいいんだろう」
キラキラした衣装で笑顔で踊る姿を見て、そう思われた方も多いのではないでしょうか。
- チアダンスとチアリーディングの違いがよく分からない
- うちの子の性格に合うのか判断できない
- 何歳から始めるのが良いのか知りたい
こんにちは、しゅんたろうです😊
運動指導者として25年以上、のべ20万人以上の子どもたちを指導してきました。
3人の子どもを育てる父でもあります。
先に結論からお伝えします。
チアダンスは体幹とリズムの力が育つ、とても良い習い事です。ただし、自分のペースで動きたい子にはしんどい面があります。
インターネットで「チアダンス」を調べると、メリットばかりが並びます。
でもそのほとんどは、スクールを運営している側が書いた記事です。
この記事では、売る側ではない立場から、育つ力も気をつけたい点も正直に書きます。

チアダンスとはどんな習い事
チアダンスは、音楽に合わせてチームで踊る競技です。
ポンポンを持って踊る姿を思い浮かべる方が多いと思います。
よく混同されるのがチアリーディングですが、この2つは別のものです。
チアリーディングには、人を持ち上げたり組み上げたりする「スタンツ」があります。チアダンスにはそれがありません。
つまりチアダンスは、ダンスの要素が中心の競技だということです。
高い所から落ちるようなリスクは、チアリーディングに比べると小さくなります。
保護者の方が「危なくないかな」と心配される時は、まずここを確認してください。
始める年齢の目安
多くのスクールは3歳前後から受け入れています。
ただ、何歳から始められるかと、何歳から始めるべきかは別の話です。
この点は後半の「運動指導者からのアドバイス」で詳しく書きます。

チアダンスで育つ2つの力
指導の現場で、ダンス系の習い事をしている子を見てきて、はっきり違うと感じる点が2つあります。
1つ目は体幹の使い方
チアダンスをしている子は、体幹の使い方が上手です。
腕や脚だけで動くのではなく、身体の中心から動きが始まっています。
これは他の運動をする時にも土台になる力です。
姿勢を保つ、片足で立つ、素早く方向を変える。
どれも体幹が使えているかどうかで変わってきます。
2つ目はリズムの能力
こちらも、私は重要だと考えています。
リズムの能力と聞くと「音感が良くなる」と思われがちですが、それだけではありません。
2つの要素で考えられます。
ひとつは、自分の身体をリズムよく動かす力です。
音楽に合わせて手足を動かす、動きに緩急をつける。これは自分の内側で完結します。
もうひとつは、他のメンバーや音など、外の環境に合わせて動く力です。
チームで動きを揃えるには、自分だけ気持ちよく踊っていても揃いません。
周りを感じ取りながら、自分の動きを合わせる必要があります。
この2つ目が、チアダンスならではの部分です。
集団のスポーツで「周りが見えている子」と言われる子は、この力が育っています。
球技でパスが出せる子、鬼ごっこで先回りできる子も同じです。
なぜリズムの能力が将来まで効くのか
リズムの能力は、運動の土台になる力のひとつです。
たとえば縄跳び。
縄が回ってくるタイミングに、自分のジャンプを合わせる必要があります。
これは外のリズムに自分を合わせる作業です。
かけっこも同じです。
腕と脚を別々に速く動かすのではなく、上半身と下半身のリズムがうまく連動した時に速くなります。
つまりリズムの能力が育っている子は、新しい種目を始めた時の伸びが速いのです。
技術そのものではなく、技術を身につけるための土台。
そこが育っているかどうかで、後の成長曲線が変わってきます。
チアダンスはこの土台を、楽しみながら育てられる習い事です。
正直に書いておきたい2つの注意点
ここからは、スクールの案内には出てこない話をします。
動きにクセが残ることがある
チアダンスは、動きに緩急をつける競技です。
止めるところは止め、伸ばすところは伸ばす。それが美しさになります。
ただ、この緩急のクセが抜けなくなる子がいます。
他の運動をする時にも、無意識にダンスの動き方が出てしまうのです。
走る時に不要な力が入ったり、動きが途切れたりします。
これは悪いことではありません。
その競技に身体が最適化された結果です。
ただ、将来ほかの種目もやってみたいなら、頭に置いておきたい点でしょう。

チームによって規則の細かさが大きく違う
これが一番、入る前に見ておいてほしい点です。
チアダンスはチームで動きを揃える競技なので、規律を重んじるチームが少なくありません。
髪型、持ち物、あいさつの仕方、練習中の姿勢。
細かく決まっているチームもあります。
身近に見てきた例では、体験に行ってみたものの、規則が細かすぎて合わずにやめたケースがありました。
チームの雰囲気は、ホームページからは分かりません。
体験に行った時に、そこを見てほしいのです。
チアダンスが向く子と向かない子
ここまでの内容をふまえて、整理します。
- 音楽に合わせて動くのが好き
- 友達と一緒に何かをするのが楽しい
- みんなで揃った時の気持ちよさを味わえる
一方で、次のような子は少ししんどいかもしれません。
- 自分のペースで動きたい
- 他人にペースを合わせるのが苦手
- 細かい決まりごとが負担になる
身近な例でも、幼児期に「他の人にペースを合わせるのが嫌だ」と感じてチアを選ばなかった子がいます。
ここで大事なのは、これは優劣ではないということです。
自分のペースで深く集中する子は、その気質が活きる種目があります。
水泳、陸上、体操、武道。個人で向き合う競技はいくらでもあります。
合わなかったのは、子どもの問題ではなく、組み合わせの問題です。
「合わない」と分かるまでに時間がかかることもある
やっかいなのは、入ってすぐには分からないことです。
最初の数ヶ月は、新しい環境の楽しさで乗り切れます。
問題が出るのは、練習が本格的になってからです。
発表会が近づくと、練習は厳しくなっていきます。
動きを揃える回数が増え、細かい指摘も増えるでしょう。
その段階になって、初めて「しんどい」という言葉が出てきます。
その時に「ここまでやったんだから」と続けさせるかどうか。
私は、そこで一度立ち止まってあげてほしいと思っています。
嫌々続けて身につくものは、あまり多くありません。
逆に「あの習い事はしんどかった」という記憶だけが残ってしまうと、身体を動かすこと自体から遠ざかってしまいます。
それがいちばんもったいない結果です。
運動指導者からのアドバイス
最後に、25年子どもを見てきた立場から、一番お伝えしたいことを書きます。
好きで、楽しんでやっているなら、それが一番です。
子どもの時期にいちばん大事なのは、身体を動かすことそのものが楽しいと感じる経験です。
その感覚があれば、大人になってからも身体を動かし続けられます。
一方で、私が賛成できないことがあります。
ポジション争いを軸にして、アスリートのようにやらせることです。
前に出るメンバーに選ばれるかどうか。
発表会でどの位置に立つか。
大人がそこに熱を入れすぎると、子どもは「うまくできない自分」を意識するようになります。
楽しくて始めたはずのものが、評価される場に変わってしまうのです。
技術は後からいくらでも伸びます。
でも「身体を動かすのは楽しい」という感覚は、この時期にしか作れません。
始める前に確かめたい2つのこと
体験に行くなら、この2つを見てきてください。
1. チームの規則がどのくらい細かいか
見学の時に、練習前後の様子を見てください。
あいさつ、整列、持ち物の扱い。
厳しさが悪いわけではありません。
その厳しさがお子さんに合うかどうかが問題なのです。
2. お子さんが帰り道に何と言うか
体験の帰り道が、いちばん正直な判断材料です。
「楽しかった」「またやりたい」と自分から言うか。
親が聞くまで何も言わないか。
自分から「やりたい」と言った習い事は、続き方がまるで違います。
よくある質問
Q1. 何歳から始められますか?
多くのスクールは3歳前後から受け入れています。
ただ、始められる年齢と、その子にとって良い時期は別です。集団の中で動くことに抵抗がなくなってからでも遅くありません。
Q2. チアリーディングとどう違いますか?
チアリーディングには人を持ち上げる「スタンツ」がありますが、チアダンスにはありません。ダンスの要素が中心です。
Q3. 運動が苦手でも大丈夫ですか?
大丈夫です。
チアダンスは基礎から身体の使い方を教わるので、むしろ運動の土台を作るのに向いています。
Q4. 体力はつきますか?
つきます。
ただ体力よりも、体幹の使い方とリズムの能力のほうが、将来につながる財産でしょう。
Q5. 他のスポーツと両立できますか?
できます。
むしろチアダンスで育つ体幹とリズムの能力は、他の種目の土台になります。
ただし練習量には気をつけてください。
発表会前は練習が増えるので、両方が重なると身体への負担が大きくなります。
Q6. 男の子でもできますか?
できます。
チームによって受け入れの方針が違うので、体験の申し込み時に確認してください。
Q7. 費用はどのくらいかかりますか?
月謝のほかに、ユニフォームや発表会の費用がかかることがあります。
月謝だけで判断せず、年間でいくらかかるかを聞いてください。
発表会が年に何回あるか、そのたびに何が必要かを確認しておくと、後から慌てずに済みます。
Q8. 途中でやめても大丈夫ですか?
大丈夫です。
合わなかったと分かったことも、大事な情報のひとつです。
その経験があるから、次はもっと合うものを選べます。
まとめ|育てたいのは技術ではありません
チアダンスは、体幹とリズムの能力が育つ良い習い事です。
- チアダンスにスタンツはない。チアリーディングとは別の競技
- 育つのは体幹の使い方と、外に合わせて動くリズムの能力
- 自分のペースで動きたい子には向かないことがある
- チームの規則の細かさは、体験に行かないと分からない
- 選ばれるかどうかより、楽しんでいるかどうかを見る
習い事で見てほしいのは、技術の出来栄えではありません。
目に見えない力が育っているか、そして本人が楽しんでいるかです。
お子さんが「やりたい」と言うなら、まずは体験から始めてみてください😊
